ようこそ岩石マップコーナーへ!
この岩石マップには阿蘇ジオパークを代表する12個の岩石がどの辺にあるのかを示しています。
これから、その12個の岩石を紹介していきます。
根子岳火山(ねこだけかざん)
約15万年前にできた火山です。南北から見て山頂部がギザギザに見えるのは、次のような理由があります。
かつて根子岳が活発だった時、マグマが地中の浅い部分に上昇して、そのまま冷えて固まりました。これをマグマ貫入と言います。この時、マグマは、東西方向に伸びる形で貫入しました。その後、まわりの地層が侵食で削られ、山頂部には東西に延びるギザギザの貫入岩が残ったのです。
高岳火山(たかだけかざん)
約2万数千年前にできた火山です。阿蘇でもっとも高い山です。高岳の西(写真では右)には噴煙をあげている中岳があります。
中岳新期噴出物(なかだけしんきふんしゅつぶつ)
中岳は高岳の西にある火山です。
中岳は、古期山体が造られた後破壊され、その後新期山体が造られました。さらに新期山体も破壊された後、最新期砕屑丘が造られています。
写真の右端に見える崖が古期山体の破壊された崖、その内側に新期山体、さらに中央に第1火口や第4火口は最新期砕屑丘です。新期山体は約5千年前にでき、火口の南北に溶岩流を流しています。
往生岳火山(おうじょうだけかざん)
中岳の北西(写真では右手前)にある火山です。約4千年前に造られました。
写真では、山頂から左手前に溶岩が流れています。溶岩流の上流側は草原、下流側は森林になっています。阿蘇駅近く西巖殿寺境内には溶岩流が止まった先端部を見ることができます。
米塚火山(こめづかかざん)
約3千年前にできた阿蘇地域では比較的新しい火山です。お椀を伏せたような美しい火山で有名です。米塚から流れ出した溶岩は付近を覆っており、広々とした草原となっています。米塚溶岩の内部には溶岩トンネルもあります。
草千里ヶ浜火山(くさせんりがはまかざん)
約3万年前にできた火山です。中央火口丘群の中でも最大級の噴火を起こしました。
最初の大きな噴火で大きな火口ができた後、写真のやや右側に溶岩ドームを造り、さらに溶岩ドームの大半を破壊する噴火が起きて右側の火口を造りました。現在では最初の火口跡にに水が溜まって左目の池、新しい火口に水が溜まって右目の池、中央にまるで鼻のように溶岩ドームの残骸が残って、まるで人面のように見える地形が造られました。
高野尾羽火山(たかのおばねかざん)
阿蘇カルデラの西の端にできた流紋岩質の溶岩ドームです。このドームは西南の役の際に戦場となりました。現在では、山頂に京都大学火山研究センターが建っています(昭和3年設置、登録有形文化財)。
鮎返ノ滝溶岩(あゆがえりのたきようがん)
阿蘇カルデラに降った雨水はカルデラ北側の黒川、南側の白川がカルデラ西部の立野峡谷で合流して熊本市方面に流れ出ています。これらの川の流れをせき止めるようにいくつかの溶岩流が確認されていますが、その中でも最も古い溶岩を鮎返ノ滝付近に見ることができます。白川中央火口丘群の活動の中でも最も古く、噴出した時にできたであろう火山体は、その後の別の火山活動で覆われているため不明です。
大峯火山(おおみねかざん)
約9万年前の噴火で広大な溶岩台地を造りました。現在は阿蘇くまもと空港として利用されています。
溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)
約30万年~9万年前に起きた4回の巨大なカルデラ噴火の際に、周囲一帯に火砕流が流れました。火山灰や軽石が高熱と自重で融け合い、固まってできた岩石です。加工しやすい岩石なので、石橋などに石材として利用されてきました。熊本県の石に選定されています。
沓掛山安山岩(くつかけやまあんざんがん)
九重山系に属する沓掛山が噴火した際に流れてきた溶岩です。産山村の池山水源の上流に分布しています。
中生代ジュラ紀層(ちゅうせいだいじゅらきそう)
山都町の南部には、かつて日本列島がアジア大陸の一部であった時に海溝斜面に堆積した後隆起した地層(付加体と呼ばれます)を見ることができます。主に緑川の南側には、約2億年前の地層がひろがり、九州山地を構成しています。写真の右側は、中生代や古生代に堆積した地層、左側は、阿蘇の火砕流に覆われています。